なんとな~く・・・読書 [読書]
昨日の晩に書店を覗いていたら、新刊書のコーナーで見つけた本に引き付けられた。
本の名前は「麻酔科医」。
パラパラっとめくって読んでいくうちに、どんどん惹かれていく。
著者は 江川 晴(えがわ はる)という女性だ。
1924年生まれというから、今年84歳。
凄いな~うちの母親と同い年だ。。。
この方は慶応義塾大学医学部付属看護婦養成所を卒業し、付属病院勤務を経て日軽金診療室勤務。
1980年56歳の時に「小児病棟」で第一回読売「女性ヒューマン・ドキュメンタリー」大賞優秀賞を受賞した。
その後も医療小説を書き続けている。
うちは家族に2人の医療従事者がいるので、このような医療小説や医療関係雑誌、インターネット配信など多くの医療情報に接する機会がある。
この本だって「麻酔科医」を希望している長男のことがあるので、題名でチョイスしたのです。
たぶん題材としている事例は、実際に著者が看護師時代にあったことをベースに、脚色しているのではないかと思う。
「麻酔科医」の高いニーズとは裏腹に、手術を執刀する外科医のお手伝いにしか見られてこなかった現実もあり、また、術中・術後管理の難しさから嫌気をさして他の分野に移っていくなど、厳しい現実がある。
その辺りを小説の中で上手に触れながら、「麻酔科医」の仕事と悩みを描いていく。
また、終末期医療の課題にも話しは及ぶ。
303ページであるが、1日でもう半分読んでしまった。
読んでしまったら、長男に送ろうと思う。
まあ、あまり暇はないだろうが、読んでもらえれば参考になるのではと思う。
その本にこんなくだりがある。少し長くなるが、書いてみようと思う。
「医学を志す誰もが、自分の学んで得た医学は、すべての病気を治癒し、病人を元気な社会人に戻すことができると信じて臨床現場へやってくる。自分も若い時は医療は人類に希望と幸せをもたらす仕事と信じて疑わなかった。でも現実は、それとは全く正反対の運命を背負っている患者さんの治療にたずさわらなければならないことが、しばしばだった。それに大きなショックを受ける。 大げさかもしれないけれど、医療の究極は、患者の死とどう向き合えるか・・・にあるのとちがうだろうか?我々医師は、ともすると、死を予定されている人に敗北を感じ、希望を失いそうになったり投げやりな態度を取りがちであるが、そうではなく、医師が最後の最後まで、希望を持ち続ける、その姿から、患者さんも死を恐れない勇気を感じて生ききることができると違うのだろうか」
このあたりのことは、一人医師だけではなく、看護師をも含めた医療従事者全体に言えることだと思う。
看護師不足が言われている。出産を機に辞めてしまうケースが多いと聞く。
しかし、このあたりのことが、復帰を思いとどまらせている要因になっている気がしてならない。
一生懸命看護に尽くしたけれど、最後は亡くなられて退院。。。
敗北感、虚無感がこころを支配するのだろう。
妻は看護師だけれども、家に帰ってまでも病人の看護はしたくないと言う。
私が具合が悪く会社を休んでいる時など、時として物凄く冷たいもの言いになることがある。
病院でもそうなの?と聞くと、そんなことあるわけないでしょ!
家でだからそうなるの!!!っと・・・
これだものね~でも、まあ仕方のないことだよね。
今日は日勤の後仮眠して、そのまま深夜勤務で明日の9時ころまで。
家に帰ってくるのは昼前。
そして日曜日は14時頃出勤しての準夜勤勤務。
「ご苦労様です^^」
書籍紹介 「麻酔科医」 江川 晴 小学館 1,600円(税抜き)
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