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ネパール14日間 一人旅 ⑦  [ネパール旅行]

今回はカトマンズ盆地の東に位置するボウダナート、ボウダナートからMTBで4Kmにある寂れた街 ゴルカナ、そして最後に訪れたのはネパールのヒンドゥー教最重要の寺院 パシュパティナート 、この3個所を紹介します。
ホテル近くのレンタルMTBショップで、MTBを2日間借りました。2日間で1,000ルピー(1,200円)でした。幹線道路を走るため、マスク必帯で臨みました。

早朝7時にレンタルMTBショップをスタートし、幹線道路を東に向かいます。タメル地区の書店でカトマンズ盆地の詳細地図を買ったのですが、実際とはどうも異なるようで、何回も警察官や地元の人に聞きながら移動しました。40分ほどで最初の訪問地「ボーダナート」に到着しました。ここも世界遺産登録地です。
昨日見たスワヤンブナートのストゥーパ(仏塔)よりも数倍大きなものがあります。

入口でチケットを購入し、MTBをチケット売り場の人に預けて見学です。
最初に飛び込んできたこの光景・・・
何と言う大きさ。ここでもう言葉を失くすsarahe。

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そしてこのブッダの眼。鼻。
眼は4面に描かれており、どこへ行っても見られている気がして落ち着きません。

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ストゥーパの前におられたこの老婆、この老婆に頭を撫でてもらう人が多いのです。偉い方なのか・・・

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歳の頃・・・90歳前後でしょうか、老婆がパイプ椅子に腰掛け、静かに数珠を繰って経文を唱えていました。
その姿は感動的でした。

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この女性は店番をしながら、一生懸命編み物をしていました^^

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可愛い子供たちも、お祈りを捧げてから学校へ行きます。

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この大きなストゥーパは、必ず時計回りに回らねばならないのです。そしてストゥーパの周りには、多くのお土産屋さんが軒を連ねていました。綺麗な色彩にしばし見とれて・・・

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ストゥーパはブッディストのお寺です。そして、チベット仏教との関係も強く、必ずと言ってよいほどインドに亡命している「ダライ・ラマ」の写真が置いてあります。

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可愛い少年の姿がありました。手にはおもちゃの腕時計。写真を撮ろうとすると、はにかみながら顔を強張らせてしまいました^^;

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お供え物のロウソクを作っているところにお邪魔して撮った写真です。

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この老婆も熱心に祈りをささげていました。服が汚れるなんて、全く関係ないことのようです。

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そしてこの女の子は、上の老婆の孫だそうです。「写真撮ってもいい?」と聞いたら「うん」と言ったのに、いざ撮ろうとすると睨めつけるんですよね・・・可愛い子なのに・・・

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ここボウダナートのストゥーパは、ネパール最大級のもので、世界的に見てもかなりなものだそうです。そして多くのチベット人にとっては、信仰の中心地となっているのです。お土産屋の多くはチベット人が経営するもので、総じてチベット人は商売が上手と言われています。
saraheはここでは買い物をしませんでした。彼らとの価格交渉を避けたためです^^;

ここには2時間くらいいたでしょうか?素晴らしいストゥーパを眺め、チベット仏教の中心都市でダライ・ラマを思いながら・・・

さて、ここからMTBで4Kmほど北へ向かって走ります。けれど、地図を読み違えたか路に迷ってしまったようで、警官に2度聞いて漸く路が分かったのです。最後の2Km位は急な登りですが、MTBなのでギヤを切り替えてOK^^
ボーダナートの喧騒からかけ離れたゴルカナの街へ入りました。
ここには「ゴルカナ・マハディーブ寺院」があります。世界遺産には登録されていませんが、それに匹敵する建物が残っています。

建物群の全景はこちらのようになっています。珍しいのもがありました。この写真の右側にある「木」を見てください。この老木の幹に出来た穴を利用して、祠を作ったようです。

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中心となる建物は、3重の塔です。そして多くの彫刻やレリーフが、3重の塔の周りに残っています。
これはシバの彫刻。長い年月が経ち、顔が判別できないほどに削られてしまったようです。

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3重の塔の正面上部にあった、黄金の彫刻。

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シバ寺院には必ずある「シバ・リンガ」。これは「男根」の象徴だそうです。シバはネパールで一番重要な神だと言われています。シバは創造神でありかつ破壊神であります。怒れるシバは宇宙を震撼させるほどと言われ、シバが恐ろしい破壊神の面を出さないでくれるよう祈るのです。
一方でシバの強さ・創造の象徴として「シバ・リンガ」を祀るのです。

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ここではゆっくりとした時の流れを感じられたのです。素敵な時間を過ごすことが出来ました。

ここから今日最後に向かうパシュパティナートまで4~5Kmの距離です。が、幹線道路ではなく脇道を行かねばならず、その路には警官などいないので、感が頼りでした。大体の方角さえ間違わなければ、大きく離れてしまうことはないと思い、ペダルを漕ぎました。
案の定、200m程の違いでしたが、パシュパティナートに出ました。

途中で捉えた光景。

洗濯をする女性。

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菩提樹の木の下で、果物を売る女性達。

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パシュパティナート寺院は、ネパールで主要なヒンドゥー教寺院であるだけでなく、インド半島にあるシバ寺院のなかでも最も重要な寺院で、インドのいたるところから荒野で修行するヒンドゥー教聖者サドゥーをはじめ、多くの敬虔な信者を惹きつけているとのことです。

パシュパティーナート寺院が建つのは、バグマティー川のほとりです。バグマティー川はインドのガンジス川のバラナシと同じく聖なる川で、パシュパティナートは「火葬場」としても有名なのです。

ヒンドゥー教徒は、死と再生の輪廻を信じていますので、火葬をしてその灰をインドのガンジス川に繋がるこのバグマティー川に流すことで、母なるガンジスに戻ると考えているのです。そしていつの日か、必ずこの世に生まれ変わってくる、そう信じているのです。

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私がバグマティー川にいる間中、次々と行なわれる火葬。
最初は物珍しさもあってシャッターを切っていましたが、そのうちに何となく自分の死について考えたり・・・
死後の世界のことを想像したり、輪廻はあるのかと考えたり・・・

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上の2枚の写真はガトー(火葬場)の位置が、川下にあるのです。川下側のガトーは6~7箇所ありますが、全部カーストの順番に従っています。カーストの順番が上位の方が、より川上側のガトーで火葬が出来ます。

下の写真は、最上位のカーストに属している人達専用のガトーです。

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ガトーの作りも親族の控室も、カーストの違いによって大きく変わっています。

でもね、焼かれてバグマティー川に流されると、こういう風になります。

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ここに見えるのは、カーストの順位に関係なく、汚れたバグマティー川に流された灰や木、花飾りなどなど。
ガンジスに帰って行く時は、現世のカーストの順位に関係なく、一緒になって流れて行くんです。そして、来世ではどのような再生が待っているのか・・・

ネパールではカースト制度は公式には廃止されたと言われていますが、このようにまだまだ多くの制度の姿を見ることが出来ます。バグマティー川の川を掃除する少年がいました。彼は最下層の・・・いや、全てのカーストの下に位置する「不可触民(ハリジャン)」だと思われます。
そして火葬に使われる木を切る人達。この人達も最下層のカーストかハリジャンでしょうね・・・おそらく。

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ここパシュパティナート寺院で唯一美しかったもの、それはこれです。
これは染料です。人々がお祈りの際に使ったり、お供えの時に使ったりします。
バグマティー川のドロドロとした汚れ、カースト制度の無常感、死と再生・・・これらとは対極にあるような美しい染料に、しばし見惚れていました。

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今日1日で3個所の街を廻り、そしていろいろと考えさせられた1日でした。
肉体的にも精神的にもクタクタになり、ホテルへ戻るとシャワーを浴びて爆睡でした^^;

次回はカトマンズから35km離れた街へ出かけます。
そして・・・ヒマラヤをしっかりと見たのです^^

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collet

ボーダナートはチベット人が多い土地なんですね。
で、このお寺はチベット仏教のお寺のようですね。
頭を撫でてる老尼僧のそばにはマニ車もありますし~(*^^)v
ところで、チベット仏教では、
お数珠はマニ車と同じで、一つづつ触れれば、
その数だけ経を唱えるのと同じ功徳があるそうですよ。
それと時計回りにまわるのはチベット仏教の決まりだそうです。
いやぁ~今、1番訪れたい土地がチベット仏教の地なもので~
わたしもこんな所へ行きたいです~~!(^^)!
ところで、ここでは五体投地でのお祈りをしてる方はいませんでしたか?
それにしても、お祈りしてるお婆さんのボーダー柄の配色のステキなこと!

そしてかたや、ヒンドゥー教のカースト制度は、
いくら入口が別でも入れば同じというのが、
ココだけの話・・・イイ気味ですね~(^^ゞ
by collet (2010-12-20 11:38) 

maki

西洋の大聖堂、日本の神社仏閣。
宗教施設というのは、どれもつい信者になりたくなるような雰囲気を醸し出していますが、ここでは国自体にそういう雰囲気があるようですね^^;

疑うことをせずに一心にひとつの宗教を信仰するする人々を目の当たりにすると、そこから受ける影響も大きいのではないかと思います。
でもそれも貧しいからこそ拠り所に、、と信仰が深まるものなのかもしれません。

現世でどのような階級に生まれても、死んだ先は同じというのも、辛い今を乗り切る為のささやかな希望の光を与えているのだという気さえします。

私も疑うことなく宗教を信じられる人を羨ましいと思うことがありますが、教えは知らないうちにマインドコントロール出来る力をもっていると考えると、やはり一歩離れていたいという気にもなります。

by maki (2010-12-20 14:52) 

sarahe

★とみっちさん、niceありがとうございます。
by sarahe (2010-12-20 17:18) 

sarahe

★colletさん、そうです。ボーダナート周辺には、チべタン(チベット族)が多いと言われました。ネパールには中国がチベットを侵略した結果、多くのチベット族難民が入ってきました。彼らは国連やNGOが提供する難民キャンプで未だに生活する人達も多く、私もポカラから数キロ離れた難民キャンプへ行って来ました。

ネパールはヒンドゥー教を国教とする国ですが、ここで見られるようにチベット仏教との複合的な宗教環境にあるのが、最初はとても奇異に感じられました。

colletさんの次なる旅行地は、チベットですか^^
私もここネパールの次は、ブータンか中国のチベット自治区に行ってみたいと思っています。でもね、チベット自治区は治安が良くないでしょう、そして中国当局による監視がきついようで、不自由な旅行を強いられると聞きました。
またネパールでも「ムスタン」と呼ばれるトランスヒマラヤ地区(チベット辺境地で、標高は平均で6,000mを下回る程度)がありますが、ここへ入るのには1,000㌦/人?払う必要があるようです。

ボーダナートに入ってすぐでしたが、五体投地でお祈りをしてるお婆さんを見ました。彼女は厚い綿で出来た布をお腹に巻き、両手には草履のようなものを付けて、この大きなストゥーパの周りを長い時間かけて回っていました。チベット自治区のラサなどでよく見かける光景ですよね^^

輪廻を信じているのですが、この世で良い行いをすれば、当然高いカーストに生まれ変われると思っているのですよね。生まれ変わっても現世と同じ低いカーストや不可触民だったら、それこそやりきれませんものね^^;
by sarahe (2010-12-20 17:55) 

sarahe

★宗教の怖ろしさはオウム真理教の例を見るまでもないのですが、それでも時々は「何かに縋りたい」と思うことがあります。その一瞬をついてこころに入り込んだものは、その後のその人の人生を変えてしまうんですね。家族や友人達を巻き込んでね。
ネパールはヒンドゥー教を国教としていますが、歴史的にもチベット仏教との複合的な宗教環境に置かれています。
とても面白いな~と感じました。ヒンドゥー教のシバ寺院のすぐ隣にチベット仏教の大きなストゥーパがあるんですから・・・

そしてそもそもブッダはネパールで生まれたとされていますが、仏教がネパールに入ってきたのは、インドの仏教王国アショカ王によってだと言われています。この辺りは何だか高校の歴史の教科書に出ていそうなことですね^^;
ヒンドゥー教では人は生まれ変わる度に最終モクシャ(解脱)に近づくか、または遠ざかるかと言われます。それを決定づけるのは、現世でのカルマ(業)であり、現世での悪い行いは悪いカルマを産み、より低レベルの輪廻をもたらすと言われます。
1度ではなく何回も輪廻を繰り返し、人間は最終的にモクシャへの到達を目指すのですね。。。ヒンドゥーの教えでは^^

今回のネパール旅行で一番考えさせられたのが、ここパシュパティーで感じた様々な事柄でした。パシュパティーには多くの外国人が来ていましたが、ある西欧人の女性(若い人でした)はここで見た火葬の光景がショックであったのか、タオルに顔を埋めてじっと考えている風でした。
別の男性はさかんにノートに何かを書き込んでいました。
皆さん私同様に、感じることが多々あったのでしょう。

そうして・・・皆さんのコメントに対する私のコメントの長いこと・・・^^;
言葉で表わすことの何と難しいことか・・・

by sarahe (2010-12-20 18:54) 

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