SSブログ

アカデミー賞受賞作品 「英国王のスピーチ」 [徒然]

日本に帰国後、初めて横浜の街に出かけてみた。目的は第83回米アカデミー賞受賞作品「英国王のスピーチ」を観ることだった。それも毎月1日を「ファーストデ-」として、1,000円で観ることが出来るのだ。横浜のみなとみらい地区にある、109シネマズMMでだ。

留学中は韓国映画ばかりだったから、本当に久しぶりの外国映画(韓国以外)だ。

当日は朝から冷たい雨が降る生憎の天気。
初回上映が10:00過ぎだったので、30分前に行けばギリギリ大丈夫だろうと思ったのがそもそもの間違いだった。
話題作を安く観れる特別な日は、朝からたくさんの観客を集めており、私が駆け付けた時には既に初回分はソールドアウトだった。そして、大蛇のような人の列。広いカウンター前のロビーを、埋め尽くしていた。

その次が13:10、次が15:45・・・

結局、50分ほど並んで、15:45からのチケットが買えた。
それまでどうしようか・・・
12:50から「太平洋の奇跡-フォックスと呼ばれた男」が15:15までやっている。それを観ようと一緒にチケットを買った。

10:40頃から12:50までをどうしようかと思案して、決めたのが美味しい「サンマーメン」を食べることだった。
「サンマーメン」の発祥の地は、横浜なんだそうだ。
あのトロリとしたあんかけが乗り、たくさんの野菜と小さく切った豚肉が適当に入っている。
私がみなとみらい地区や桜木町近辺へ行くと、必ずこのお店で「サンマーメン」を食べている。

お店の名前は「三幸苑(さんこうえん)」。JR・市営地下鉄桜木町駅から、野毛山動物園方面に行くと、5分ほどである。アーケード街にあるこれといって特徴のないお店。しいて言えば、赤い暖簾が掛かっていることくらいか。中国の方が店をやられているので、厨房とのやり取りは「中国語」だ。日本語の「発音」は、かなり怪しい。

3.JPG

11時頃にお店に入ると、客は私一人であった。それでも、あとから続々と客が来る。やはり有名なんだ^^

注文したのは「さんまーめん」。880円也。
私はあんかけの上から、お酢と胡椒をかけて食べる。いつもこの形だ。
いつもながらウマイ

2.JPG

韓国ではまともな「ラーメン」を食べることが出来なかったので、帰国後は家で食べるインスタントも含めると、1週間に4食ほど食べている。その結果は・・・折角痩せたその腹が、元のように膨らんでしまった。

さてさて、時間になり109シネマズMMへ戻った。「太平洋の奇跡」は竹之内 豊が主演だった。客の多くは中高年で、ご婦人が多かった。そして、最初から涙を流しながら観ていた。内容的にはまずまずかな・・・多くは語りません。

6.JPG


そして「英国王のスピーチ」の時間です。いや~全席ソールドアウト。こんな状態で観るなんて、本当に久しぶりだ。コーラのLサイズを買って9番のスクリーンへ。

2011.3.01-1.jpg


2011.3.01-2.jpg

第83回米アカデミー賞 作品・監督・主演男優・脚本の4部門で受賞した。
監督はトム・フーバー
脚本はデビッド・サイドラー
ジョージ6世役は主演男優のコリン・ファース
言語療法士役はジェフリー・ラッシュ
ジョージ・6世の妻役はヘレナ・ボナム・カーター

実話に基づいて書かれたものだが、現在のエリザベス女王の父ジョージ6世については、然程というか殆ど知識が無かった。但し、映画に出てくる人物はどれも聞いたことのある名であり、その当時にタイムスリップしてその時代を生きている不思議な感じがした。チャーチル、スターリン、ヒットラー・・・

主演男優賞を受賞したコリン・ファースの演技は素晴らしかった。「吃音」を上手に演じていて、時々自分がその状態になっているのではないかという不安にかられるくらいだった。
それといつも耳にしているのは「英語」といっても「米語」だったので、英国王室を舞台としている「クイーンズ・イングリッシュ」のその響きが、とても新鮮に聞こえた。コリン・ファースや妻役のヘレナ・ボナム・カーターは英国人俳優である。「威厳」をも感じさせる「ことば」だった。


また言語療法士を演じたオーストラリア人のジェフリー・ラッシュの演技が光った。「助演賞の候補」でもあった彼は、王室の威厳の中に「笑」を投げ入れる。
そして、ジョージ6世のこの「吃音」の原因を探っていく辺りは、こころの奥底に潜む無意識の世界に落とし込まれた「触れられたくないもの」を探すフロイトの精神分析の様だった。

この吃音の原因は父の厳格な性格、兄の奔放な性格とからかい、乳母による虐待やからかい等だったのだが、
これなどは今の時代でもこころに傷を負う原因である。難しいこと。。。

物語の最後に設定された「英国王のスピーチ」。それはヒトラー率いるナチスドイツとの闘いに向けて、全国民に、英連邦の人々に向けて、こころを一つにすること、厳しく辛い戦争を完遂するために国民の協力を求めるものだった。したがって、その内容は英連邦のイギリス王室の「威厳」を現わし、かつ国民の戦意を高揚させるものでなければならない。「吃音」に悩み、兄が突然王位から離れることにより自分が図らずも英国王に就くこととなった運命に戸惑い、そして「ナチスドイツ」との厳しい戦争に立ち向かわねばならない状況を前にするジョージ6世。

演説を終えて帰っていくジョージ6世に対し、BBC職員やチャーチルを始めとする閣僚達が拍手をする光景、そしてジョージ6世の妻と子供達が待つ部屋に入り抱き合う光景・・・
素敵なクロージングだった。

久しぶりによい映画を観たという感じがした。
nice!(2)  コメント(4)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 2

コメント 4

maki

サンマーメンは衝撃的なネーミングですよね^^;
最初に聞いたとき、サンマが乗ってるのを想像して愕然としました。
でもsuzukoさんに中華街で食べさせてもらい、なぜサンマーメンかは謎のままですが、味には納得でした。
なんとも懐かしい味ですよね^^

この映画、面白そうだと思っていました。
ジミっぽいけど、秀作な感じがします。
イギリス映画はシブイけど深みのあるのが多いかも。
ヘレナ・ボナム・カーターも役によって本当に変われる、英国の大竹しのぶ的役者ですよね~
彼女は確か貴族ではなかったでしたっけ?
英国は階級によって発音が違うのでクラスが歴然としますが
その辺も忠実に描かれていたのなら面白さも格別だと思います。

なにしろ昔ロンドンでロビンフッドを観たとき、ケビン・コスナーの発音に
周りから失笑が起きてましたから^^;
by maki (2011-03-08 00:21) 

kaotan

おかえりなさい。
帰国後まず食べた料理は麺類、しかもらーめんなんですね。
男性ってどうして脂っぽくて塩辛いものが好きなんだろう???
といつも思ってしまいます(・m・ )クス

米語以外の英語って聞き取りにくいですよね。
去年台湾で韓国人と台湾人と日本人とで英語で会話したときは
全然会話がかみ合わなくて、皆苦笑(^^;)
by kaotan (2011-03-08 10:47) 

sarahe

さんまーめん=サンマが乗ったラーメン・・・思わず笑いました。そんなはずないでしょう^^; makiさんらしいリアクションですね~♪
さんまーめんの何が好きかと言えば、あの片栗粉で溶いたあんかけと肉野菜炒めがマッチしているところが好きなんです。そして醤油味で少し濃い口で^^
また食べに行きたくなりましたよ~ん

ヘレナ・ボナム・カーターを見ていたら、「マドンナ」を思い出しました。何となく感じが似ているな~と。makiさんの言われる通り、父方に元首相・伯爵がおられるなど、貴族階級のお嬢さんなんですね。

>階級により発音が違う

これって本当ですか?もともと「米語」に比べ発音がキチッとしている印象が強いのですが、その中でも更に分かれているということですか?
その事実を知りませんでしたので、この映画でそこまで忠実に描かれているかどうかは分かりません。makiさんが観られた後の感想に期待します。

>ケビン・コスナーの発音に失笑が・・・

いかにも英国人らしいです。やはり「大英帝国時代」が忘れられないのでしょうか?米国はあくまで「新大陸」、「原住民が住む未開の地」という蔑みの意識でしょうか?


by sarahe (2011-03-08 21:05) 

sarahe

kaotanさん、やっと帰って来ました。帰る前から「ラーメン」が食べたくて仕方なくてね。羽田に着いて4階でラーメン食べてから帰りたかったのですが、ラーメン屋さんは店内一杯でダメで、仕方なくアナゴの天婦羅を食べました。いや~最高でした^^

>どうして男の人は脂っこくて塩辛いものが好きか

どうなんでしょうね~外でエネルギーをたくさん必要とするため?敵が多く攻めるも守るもエネルギーがいる^^;
家に帰れば鬼嫁がいる(苦笑)・・・これはkaotanさんのことではないですよ、我が家の鬼嫁の話です^^;

韓国に旅行で行かれる間は思いませんでしたが、長く住んでいると「ラーメン」「100%蕎麦粉のおろし蕎麦」「トロロ飯」が無性に食べたくなるんです。人によってそれは異なるのですが。ですから、帰国してから暫くの間は、そればかりという偏食状態になりました。
今では解消しましたが^^
その代わりに今度はキムチが食べたくて仕方がありません。
売っているキムチではなく、韓国のアジュンマ達が漬けた「キムチ」です。


by sarahe (2011-03-08 21:20) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。