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韓国放浪~アンドン名物・チムタッ [韓国料理]


もの凄い暑さに耐えられず、そうそうに名所 ハフェマウルを引き上げて安宿に引き上げてきた。
まずはシャワーを浴びて、休憩する。
冷蔵庫にはミネラルウォーターが2本入っていた。2本共に飲み干し、オンドル部屋に敷いてある薄っぺらい敷布団の上に、大の字になって倒れる。しばし・・・休憩。

何時間くらい経ったのだろうか、部屋はエアコンが効きすぎて寒いぐらいになっている。そしてお腹も減ってきた。時計を見ると午後6時過ぎだ。2時間ぐらい眠ってしまった。さてと・・・食事でもするか。。。
ここアンドンでは名物「チムタッ」を食べようと思っていた。「チムタッ」とは、鶏肉と野菜を甘辛く煮込んだものである。アンドンの名物料理なのだが、2000年にソウルでブレイクして一躍有名になった。

アンドンの街をふらふら歩く。

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食事通りと書いてある門があった。

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商店街を抜けて「チムタッ」のお店が立ち並ぶ通りまで歩いて行く。商店街はこんな感じである。

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案内所でもらった地図を頼りに歩いて行くと、アーケードがあった。良く見るとアーケードの脇のポールに、アンドンチムタッの看板が出ている。ここがチムタッ通りなんだな~~^^

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お店は決めてある。「安東大家チムタッ」というお店である。であるが、なかなか探せない。キョロキョロしていると、店先でチムタッを作っているアジュンマから、オイデ・オイデと手招きされるが、誘惑に負けずに店を探す。

漸く探し当てたお店は、私が通り過ぎてきたアーケードの入口付近にあった。階段を2階に上がっていくと、小奇麗な座敷があった。冷房も効いていて気持ちがいい。

壁にあったメニューを見たが、チムタッはいい値段が付いている。
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アジュンマが注文を取りに来たので、「一人だけれど、チムタッは大丈夫か?」と聞くと「半分にしてあげるから大丈夫」と言われ安堵した。そして昨日我慢したチャミスルを頼む。
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チャミスルと大根を角切りにして、甘酢に漬けたものが出てきた。料理が出てくるまで待てない。チャミスルを飲む。焼酎の代名詞「チャミスル」は、ソウル中心かと思っていたが、こんな地方の田舎町にも進出していた。
昼間に炎天下歩き回ったので、疲れからかお酒が回るのが早い気がした。
チャミスルは2本目にはいっていた。まだ料理は出てこない。

漸く出てきた「チムタッ」。
「イゴ テガ チムタッ?」と聞くと「ネー」とアジュンマ!
「パンマリ!!!」と言われたのだが、意味が分からない。紙にハングルを書いてもらってやっと分かった。
「반마리」と書いたのであるが、これは「半分」の意味だった。
「カムサハムニダ」

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鶏肉・ジャガイモ・ニンジン・たまねぎ・しらたき・真っ赤なコチュなどが入っている。ハサミも一緒に付いてきたのであるが、何に使うのか分からなかったが食べ始めて分かった。しらたきが切られていない。長いまま入っているので、それを食べやすいように切れと言うことだと分かった。

ガイドブックには「甘辛く」と書いてあったが、「甘い」などと言えないくらい「辛い」のである。
それと「半分」とはいうものの「私の感覚では軽く1人前はある」と感じた。食べられるかな~~。。。
ただ、焼酎とはよく合う料理だ。韓国の焼酎「チャミスル」は、どちらかと言うと「甘口」であるから、この「辛い料理」にはピッタリ。
1時間ぐらい店にいたであろうか、ようやくチムタッを食べ終わった。
チャミスルは3本飲んでいた。いい気持ち^^

会計をお願いするとあれだけの量のチムタッが半分になっていて12,000ウォン(1,200円余り)、チャミスルが9,000ウォン(1本3,000ウォン)だった。

夕暮れの街に出てみると、雨が降ったらしい。道路が濡れているし、人々は傘を持って歩いている。
ラッキーだった。

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韓国ではソウルでもここアンドンでも、屋台がたくさん並んでいる。
その屋台に多くの人が立ったまま料理をつまんでいる。

ここから今回の韓国放浪の旅で、一番嫌なことが起こった。
私が街の写真を撮っていると、後ろから誰かが私の肩に手を置いたのだ。そして韓国語でなにやらわめいている。
振り向くと年のころ50~60歳ぐらいだろうか、黒光りするくらい陽に焼けている顔を怒りで真っ赤にさせて怒鳴っている。

まずは丁寧に「어떻게 오셨습니까?」と聞いた。「何か御用ですか?」と聞いたのだが・・・
「お前は日本人か?」と聞かれたので、「そうです」と答えたら「俺は日本人が大嫌いだ!」って大声で叫ぶありさま。
周りにいた人たちも、集まってくる。・・・嫌なことになったな・・・上手くかわして逃げないといけない・・・。
「너 !너!(お前・お前)」と迫ってくる。日本人が嫌いと言っていたので「どうして?」と聞いたのがいけなかった^^;
後は凄い剣幕で機関銃のように喋りまくるだけ。私には彼の韓国語が全く理解できない。ところどころに知っている単語や文法があるのが分かるだけ。

周りを取り囲んでいる韓国人らも、何事が起ったのかと心配そうに・・・いや興味津々で見ているに違いない。
何と言っているかは分からないけれど、日本人が嫌いなことだけは分かった。
こちらもいささかうんざりして「アラッソ!アラッソ!!」とぶっきらぼうに言った。「分かった!分かった!!」と言ったのだが、それも相手の肩に手を載せて・・・精一杯の愛想で^^;

相手のおやじさんは酒でも飲んでいるのだろうか?
こちらは焼酎を3本も飲んでフラフラだ。なんとか事を収めたかった。しかし、こちらもアルコールが入っているし、だんだんとイライラしてきた。遂に忍耐の緒が切れた。大きな声でおやじさんの目をしっかりと見据えて「なにぐだぐだ言ってるんだよ。日本語でしゃべれ。分からねえよ!このボケ!」と叫んだのであった。
「この俺が何したって言うんだよ!くそったれ!!」

今度は相手のおやじさんが、何を言われているのか分からないと言う顔をしている。
ただ、私がえらい剣幕で怒っていることは分かっているはずだ。
こういう時には韓国語は出ない。出てこない。そりゃそうだろう!
相手が少しおとなしくなったので、煙草に火をつけてその場からゆっくりと離れた。

背中からまだおやじさんの怒号が聞こえるが、もう相手にしたくはなかった。
冷静になってきた。すると怒りよりも悲しみの方がこころに湧いてくる。
あのおやじさんが何を理由に日本人が嫌いと言ったのか。どんなことがあったのか?
戦争のことか?日本との併合のことか?朝鮮人蔑視のことか??????
彼の韓国語が理解できなかったので、理由が分からない。

今まで大衆食堂で酒を飲みながら食事をしたことは何回もあるし、傍で韓国人グループやおやじさんが飲んでいることも多かったが、こんなことになった経験はない。

日本人と韓国人は最後までお互いを分かり合えることはないのか、こころから理解しあえることはないのか・・・
そして、私なりの答えは「やはり分かり合えないのだろう」
「恨(ハン)」の儒教的思想が根底にある韓国人故に、日本の植民地支配の下に置かれた歴史は、耐えがたく辛いものなのだろう。
でも、朝鮮半島は古来他国の侵略に遭わない時期はなかったはずだ。朝鮮半島内での小国分裂から内戦を繰り返した歴史、中国からの度重なる侵略、モンゴルからの侵略、そして日本の秀吉以降近代史までの侵略・支配・・・。
事実、キョンジュにある世界遺産も、その多くは秀吉の朝鮮出兵の時の戦禍にさらされ、消失してしまい後に再建されたものが多い。新羅の都の建物も・・・

アンドンは儒教学者を数多く輩出した街である。そういう歴史もあるのだろう。
とても嫌な思いをしたが、これがすべての韓国人に当てはまるかどうかは分からない。でも、こころの奥底には、彼ら彼女らの身体の中のDNAには、「恨」の儒教的思想がしっかりと受け継がれていると感じた。

まあ、それだけでも収穫だけれど^^

宿に帰ってTVをつけたが、どこも北京オリンピックでの韓国人の試合の模様を放送している。
大極旗(テグッキ)を振って応援する韓国人。
私はしばらくは見たくない。
スイッチを消して、集英社新書を取り出し読むことにした。
本の題名は「やめられない心理学」である。
しかし・・・数ページも読まないうちに眠りに落ちたようだ。

翌朝まで電気はつけっぱなし、本はクシャクシャになって隅に寄せられていた。

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コメント 8

kaotan

メニューのフライドチキンがなんか笑えます。
フライドチキンはフライドチキンなんですね^^
辛い韓国料理には甘いチャミスルがほんとあいますね~。
嫌なことってこういうことだったんですね。
うちの親も韓国が嫌いで、私が韓国語を習っているって言ったら
なんでそんな言語を習うんだ!とか言うんですよね。
わかりあえるにはまだまだ時間がかかるということでしょうか・・・
by kaotan (2008-08-24 13:43) 

sarahe

フライドチキンはたぶん同じようなものだと思います。それといちばん上に書いてある「カレーチムタッ」ですが、これもかなかな人気なんだそうです。2人以上で行けば、1人はこちらを頼めば2通りのチムタッが食べられます。

お互いが分かり合えるというのは、幻想なのではないかと思うんです。お互いが歩んできた道、行なってきた行為、受けてきた仕打ち、これらが彼ら・彼女らのDNAとして受け継がれているはずです。
そういうなかでは、最後は分かり合えないのでしょう。
私が逆の立場だったら、戦争を知らない世代の日本人だとしても、観念的に嫌いなんだというあの人のことは、理解すると言うか仕方のないことかな・・・とは思います。

ユダヤ人だってドイツ人のことを、こころから許して「嫌いではない」と言えるのかどうか・・・

私が韓国語を勉強して、留学までしようと思っているのは、韓国という国・韓国人が好きというよりも、それをすることが通訳・ガイドという資格を取得するための近道になるからです。近年の韓国からの観光客は増加の一途をたどっています。将来もそうでしょう。そこにビジネスチャンスがあるからです。醒めた物の味方ですが、それが本当の所です。
by sarahe (2008-08-24 15:01) 

maki

おやおや、、これは・・・。
国籍に関わらず、他人と解り合うというのは本当に難しいことだと思います。
一方的なラブコールだけではダメで、双方が真摯に向き合わないといけないことですから。
先日韓国語の先生の話にありましたが、「韓国人は外に出すことで消化するけど、日本人は内に込めることで消化しようとする傾向がある」
この違いがある限り、お互いを理解するのは難しいのかなぁと思うのです。

↑このシチュエーションだと日本人的には「見世物になるよりは、適当にかわして撤収しちゃいたい」とか「日本人の印象を悪くしたくないからなるべく黙っていよう」と同朋を思いやったりすると思いますが、それはあくまで日本人の対処の仕方で、韓国人のやり方とは同じじゃないんですよね。
そしてこのオジサンは自分がしたことで韓国人全体の印象がとても悪くなったなんて考えつきもしないでしょうし。

お互いの根っこにある憎悪の感情は、世代と共に薄れていくのを待つしかないと思いますが、それが少しでも早まるようにするには自分に何ができるのかと考えたいと思います。

by maki (2008-08-25 15:08) 

雀翁

チムタより、Saraheさんがソジュを3本空けたことに驚嘆です。それで、しっかり歩けたのなら、たいしたものです。すごい。

今回、Saraheさんが遭遇したいやなことは、どちらかというと例外的なことだと思います。確かに「恨」の思想はあるようですが、経済的に成功し、オリンピックの金メダルの数だって世界7位です。もういつまでも「恨」もないでしょう。実際、Saraheさんも初めての体験だとおっしゃってますし、前回と通算すれば3年以上ソウルに住んでいる私は、1度もそういう嫌な経験がありません。
とても嫌な経験をされ、さぞかしショックであったこと思います。お見舞い申しあげます。でも、どうぞそれを、「みんながそうだ」という風に広げて解釈されませんように。きっとそうではないと思います。
だだ、一部には、教育上の問題か、個人的な経験上の問題かわかりませんが、そういう人もいるでしょう。それは、どこの国へ行っても、同じではないかと思います。

by 雀翁 (2008-08-25 15:34) 

collet

わたしも雀翁さんのおっしゃるように思います。
何も韓国だけにある事でもないし・・・
わたしもそれに似た体験はハワイでしました。
あんなに観光化されてる所でです。
まあ、内容は多少違いますが、嫌な思いをしたのは同じです。
結局はいろんな人間がいますものね・・・
そして今となれば、思い出の一つになってます(~_~;)
by collet (2008-08-25 18:08) 

sarahe

makiさん、コメントが重複しているよ^^
時差攻撃に遭ったのかな。。。

私はこと時ほど韓国語が分からないことの悔しさが込み上げてきたことはなかったように思います。分かったからと言って、彼の言っていることに賛同できるかは分かりませんが。否、分からなかった方が、よかったかも知れませんね・・・

>日本人は内に込めることで消化しようとする・・・
これって日本人の美徳みたいに言われることだよね。でも、それが海外では時として意思表示をしない人種、何を考えているか分からない人種、みたいに言われることが多いのも事実だよね。
シチュエーションにもよるけれど、嫌なものは「嫌や」とはっきり意思表示すべきなんだろうね。
そうしないとお互いが理解するとっかかりさえ与えないことになるし。

私の場合もお酒が入っていなかったら、どうしていたか分かりません。
英語で話して韓国語が分からないふりしてたかもしれない。
あるいは全く無視して、その場を去っていたかもしれない。

地方の小さな町だから起こったのかもしれない。
大都会ソウルでは起こり得ないのかもしれない。

ただ、私の胸に小さな棘が刺さって、未だに抜けないことだけは確かなんです。
「最後まで分かり合えないのではないか」・・・この私の思いが、時と共に変わっていくのか・・・・・・
by sarahe (2008-08-25 22:12) 

sarahe

雀翁さんね、チャミスル3本空けましたが、しっかりとした足取りで帰って行ったわけではないんです。フラフラでした。飲んでいる間はそんなに感じなかったのですが、歩いて帰る時に足にきていることを知りました。
甘いチャミスルと辛いチムタッが妙にマッチしてて・・・^^;

ソウルではたぶんこのようなことはないのでしょうね。
地方の片田舎だから起こり得たのかもしれません。
彼の行動を一つ捉えて、それが韓国人全体に言えることなどとは、決して思いませんが、永い日本との係わりの中で、韓国人の意識が形成されていったことを考えれば、「他の国でもこのようなことはある。韓国だけのことではない」との主張には、いささか疑問を感じずにはいられません。

経済が発展し先進国の仲間入りを果たしている韓国ですが、根っこの部分にはそうした表面的な近代化されたものにはない、昔ながらの韓国人の「魂」みたいなものが存在するのかな、と思っています。

「最後はお互い分かり合えない」との思いは、これからの韓国留学や韓国人を対象としたビジネスのなかで、どのように変化していくのか・・・
by sarahe (2008-08-25 22:31) 

sarahe

colletさん、ハワイでどのようなことがあったのか分かりませんが、真珠湾攻撃に絡んだことのような気がしますが。。。違いますか?
どの国に行っても、嫌なことはたくさんあるし、幻滅することも多いと思います。
でも、韓国や中国という国では、やはり日本という国は「特別な国」なのだと思っています。私の考え方が、間違っているのかも知れませんが・・・。

まあ、いろいろな人間がいることは紛れもない事実ですから、それだけ様々なことがあってもこころが揺れたりしないようにコントロールできればいいのですがね^^;
そこがまた難しい。。。


by sarahe (2008-08-25 22:40) 

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