「人間の覚悟」 五木寛之 [読書]
五木寛之、彼を知ったのは「青春の門」だった。
九州筑豊の炭鉱町、そして東京での学生生活。
私はこれから経験するであろう大学生活を思い、あるいは失恋で疼くこころを癒し、この本を読んでいた頃を思い出す。
そんな五木寛之であったが、最近というか少し前から・・・いや鬱病に罹患しては寛快することを3回繰り返した頃からか、あるいは彼の年齢がそうさせるのか、彼の作品には大きな変化が見られるようになった。
書かれる文章のトーンが、極端に暗く鬱々としたものに変わってきたのだ。
私は今「人間の覚悟」という本を読んでいる。昨年の11月に刊行されてから5か月になろうとしているが、もう8刷を数えるほどの人気である。
その本の冒頭に書かれている文を書いてみる。
そろそろ覚悟を決めなければならない。「覚悟」とはあきらめることであり、「明らかに究める」こと。希望でも、絶望でもなく、事実を真正面から受け止めることである。これから数十年は続くであろう下山の時代のなかで、国家にも、人の絆にも頼ることなく、人はどのように自分の人生と向き合えばいいのか。たとえこの先が地獄であっても、だれもが生き生きした人生を歩めるように、人間存在の根底から語られる全7章
そして「目次」は次のような内容である。
1.時代を見すえる
2.人生は憂鬱である
3.下山の哲学を持つ
4.日本人には洋魂は持てない
5.他力の風にまかせること
6.老いとは熟成である
7.人間の覚悟
私は今現在第3章を読んでいる最中である。第1章の冒頭から書かれているトーンは、何となく暗くて鬱々とした感じがする。これが7章まで続くのかと考えると、さすがにうんざりするなと思っていたが、途中から彼の言いたいことが、何となく分かるような気がしてきた。あくまでも「気がしてきた」という曖昧とした感覚である。
人生80年と考えると、私は52歳で残り30年弱。
子供2人は巣立っている。今は妻と実母との3人暮らし。
自分の年金がきちんと支給されるのか、例の年金事件が明らかになり今後の年金支給額を切り下げるという話もよく聞く。
国に頼りっぱなしでは、自分の老後や子供たちの将来も、どうなるか分からない時代である。
自己責任で考えていこう、これからの生活スタイルや生きざまを。
その為の「覚悟」をどのようにつけるか!
今、コーヒーを飲みながら(makiさんのエコ対策の記事を読んで、究極のエコ「インスタントコーヒー」)タバコを銜え、記事を書いている。
今日も午後6時から入浴介助の仕事がある。
来月には「ガイドヘルパー」の資格を取れと言われた。障害者が社会と触れ合う機会を増やすこと、そのためにはガイドヘルパーの資格を取得して、土日に外へ出かける付添になることが必要。
今年のGWはずっと仕事が入っている。社会人になって初めてのこと。利用者には休日もGWも関係ない。我々ヘルパーは24時間 365日仕事がある。
五木寛之、「青春の門」はまりましたね。あのころ他にも何冊か読みましたが、いつもロシアの匂いのする作家だなと思っていました。
もう5-6年前でしょうか、両親から「大河の一滴」が送られてきました。「いい本だから読め」って。読んだ記憶はsるのですが、内容がまったく思い出せません。それはこの本に限らず、よくあることです。題名は覚えているのに、内容がまったく...
「下山の哲学」、興味深い表現です。「覚悟」のつけ方、難しいです。
おせっかいですが、タバコはやめた方がいいですよ。それとも、それもsaraheさんの「覚悟」なのでしょうか。
by 雀翁 (2009-04-16 09:52)
翁雀さんも嵌りましたか、青春の門に。
筑豊編に出てくる幼馴染の女の子、名前は思い出せませんが、男の子を呼ぶ時に「~しゃん」と呼んでいたことが、何故か頭の中に残っています。
五木寛之はピョンヤンで終戦を迎え、ロシア軍の進駐による悲惨な状況を目の当たりにし、そのなかで母親を亡くしているんですね。ロシアに対しては、いろいろな思いがあるのでしょうね。
私は優柔不断な男ですから、禁煙に何回もトライしてはまた吸うということを、繰り返しています。禁煙の最長期間は3年ですが、ふとしたきっかけでまた吸ってしまいました。これが「私の覚悟」からなんて・・・「覚悟」の「か」の字も悟れない人間です。
今日も横浜は20℃を超える気温だそうです。
ヘルパーの仕事に身体がまだ慣れていないので、夜10時頃に帰宅すると、夕食もそこそこにして風呂に入り、爆睡の毎日です。
気持とは裏腹に、身体は根をあげかけています^^;
by sarahe (2009-04-16 11:04)
確か、「信介しゃん」、「織江」だったような気がします。
無理をされませんように。介護される方に」なってしまっては困ります。
私は、タバコはすっと止められましたが、お酒は絶対無理です。それで寿命に影響があるなら、それはそれで仕方ないように思います。それが私の覚悟です...なんてね。
by 雀翁 (2009-04-16 22:30)
そうです「信介しゃん」です!そして「織江」!
懐かしいですね~
>介護される側に・・・
確かに。会社から支給された「腰痛予防コルセット」をしながら、介護の仕事をしています。この仕事に「腰痛」はつきものですよね。
妻も「腰痛予防コルセット」をしながら、看護の仕事をしています。夫婦揃って「介護される側」になったら、本当に喜劇ですね^^;
「寿命」は天から与えられたものだとすれば、何をしようが定められた寿命を全うするだけですが、そこまで割り切れません。この優柔不断・・・死ぬまで治りません^^;
by sarahe (2009-04-16 22:50)