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「闇の子供たち」を観て [日本映画]

月曜日の仕事帰りに、近くのレンタルビデオショップに立ち寄り、「おくりびと」と「闇の子供たち」の2作品を借りてきました。ともに新作だったので、2泊3日で借りてきました。

「おくりびと」は話題の作品だけあって、レンタル品も10点を超えていましたが、それでも殆どがレンタル中となっていました。本木雅弘や広末涼子が主演でしたが、チゲは「山崎 努」の演技と表情そして他の出演者との間合いの絶妙さに感心して観ていました。

そしてもう一つの作品「闇の子供たち」。
日本とタイの俳優さんが出ているのですが、扱っている事案がとても難しいので、対象となる子供たちの演技の良し悪しにも注目して観ていました。

扱っている事案は「タイ人の少年少女の売春と彼らから提供される臓器の移植」についてでした。
少年少女の売春は、ずっと前から問題視されていました。買う側には日本人や欧米人が多く、特に日本人の「買春ツアー」が企画されて多くの参加者がいたことも事実として報道されていました。

地方の貧しい農村から多くの子供たちが売られてきます。貧しい上に子沢山で、生活は極貧の状態ですから、生きていくためにも子供を売って生活費を得る究極の選択を強いられているのです。

コンクリートの壁で仕切られた狭い部屋には、幼い子供たちが身体を寄せ合うようにして、生きています。そして「指名」があると、汚らしいホテルの部屋に買春した男女と一緒に入って行くのです。

そしてもっと深刻な問題としては、子供への臓器移植の問題です。日本では15歳以下の子供には、臓器移植が法律で認められていません。ですから、アメリカや他の国へ行って移植手術を受ける他ありません。しかし、それらの国でも臓器移植を待つ多くの患者がいるのです。それを大金をつぎ込んで他国へ渡って自分の子供に臓器移植を受けさせること、この何とも言えない不条理(第三者的な見方です。当事者となれば違った見解を持つのかもしれません)のなかで、さらに驚くべき事実が明らかになって行きます。売られてきた少年少女は、臓器移植の依頼があれば、生きたまま麻酔をかけられ、臓器を摘出されて臓器移植を行なう病院へ届けられるのです。

何たる不条理、何たる狂気。

日本の俳優としては「江口洋介」「宮崎あおい」「妻夫木 聡」「佐藤浩市」らが、タイからは「プライマー・ラッチャタ」「プラバドン・スワンバン」らが出演していました。
江口は日本の新聞社のタイ支局員、宮崎は日本からやってきたボランティア、妻夫木は報道カメラマンになれない落ちこぼれ、佐藤はタイで息子に心臓移植を受けさせる父親・・・。

江口と宮崎はタイ語で話をする場面が多く、それに神経を集中していたのか演技は今一つと感じました。顔や態度、そして言葉の間合い、それらから受けるこころ模様などが、なかなか強い形で伝わってこないのです。

扱う題材の大きさに、演技者が呑みこまれている感じさえしました。

宮崎あおいは昨年の大河ドラマ「篤姫」で、最高の演技をしていたと思うのですが、この作品での演技は物足りなさを感じます。

ただ、ドキュメンタリータッチで捉えるカメラワークは、とても良かったと感じています。

皆さんはこの映画、ご覧になられましたか?

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