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医療行為をどこまでやるか・・・ [徒然]

今回も医療ネタです。
今日の特報首都圏というNHKの番組を見ていて、正直なところ自分でも何が何だか分からなくなってきました。
番組では小児用集中治療室NICUを取り上げていました。

出生数は減っているのに、未熟児や重い病気を持って生まれてくる赤ちゃんが多く、NICUのベッド数が足りないという状態になっているそうです。
そのようなNICUでの医師の葛藤をドキュメンタリータッチで描いていたのと、コメンテイターとして愛育病院の部長の話が印象的で、見終わった後も暫く力が抜けた感じでぼ~~っとしていました。

主題は思い病気を持って生まれてきた赤ちゃんを、人工呼吸器や沢山の管に繋がれてやっと生きているという状態にしていることが、果たして医療なのか???という問いかけだったように思いました

そこで映像は子供の両親と医師との話し合いの場面へと移っていきます。

医師が「これ以上の処置は生かされているという状態でしかない」「本人の苦しさを考えると、延命処置が正しい選択なのか・・・疑問がある」と両親に告げます
両親はすぐには答えを出すことはできず、何日も話をしてそして「この子は生きたいと思っているに違いない。それを一番分かってあげられるのは親だ。その親が子供の生きる手だてを放棄することはやはりできない・・・こう答えるんです。

医師は最先端の医療をもってしても回復の見込みがない子供たち・・・生後1年未満の小さな子どもたち・・・その子たちに最後の最後まで懸命の治療をすることが、果たしてその子供のためになるのだろうか・・・という基本的な葛藤を持っています。これはがん患者の末期治療にも言えることです。

最終的には親の決断に委ねられますが、医療チームのなかでも意見が分かれます。医師と看護師です。
そうしたコミュニケーションを常に取り続けることがとても大切なことだと思いました。

今の医師不足を解消するために、今後医学部の定員を増やすことにしたそうです。
そして診療科ごとの医師の偏りを是正すべく、手を打つとも書いてありました。
医学部を卒業してから2年間の前期研修期間があり、その後2年間の後期研修期間があります。

一人前の医師になるためには、少なくとも10年はかかると言われています。
それはそうでしょう・・・10年でも早いかもしれない。

ですから、この厚労省の対応は今すぐの課題を解消することには繋がらないのです。

今から10年ほど前から問題は顕在化していたのに、厚労省は医学部定員の削減をずっと継続してきました。
そのつけが今回ってきているんです。
いつでも痛みを味わうのは、我々国民です。

医療現場は精一杯努力していると思います。(一部には点滴の作り置きや名前取り違え等々問題はありましたが)
早くそういう現場に、多くの若い医師が飛び込んでいけるよう、環境を整えて欲しいと切に思いました。
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maki

この前観たドラマで「医者にとっての敗北は患者を死なせること」というセリフがあり、なんとなく医師の心情も分かったような気がしました。
来る日も来る日も患者と向き合い、医療が進歩してくればどうしてもそうなってしまうのではないか・・・と。
第三者的立場で見れば、倫理観からも元々助からないものを無理に生かすのはどうかと、、、(不妊治療しかり)と考えますが、もし当事者の家族だったら、少しでも長く生きて欲しいと思うのだろうとも思います。
日頃から自分の意思をきちんと分かるようにしておかなくてはいけないと思います。

by maki (2008-06-20 23:50) 

mimimomo

こんにちは^^
医学会のことは良く分かりません。ただ患者の立場として延命は好きではないです。
特に老人の場合。舅を看ていたときつくづくそう感じましたね。

ただ子供の場合難しいですね~ 

医師の数の問題もあるでしょうが、看護師の数が絶対的に不足しているように思います。
by mimimomo (2008-06-21 10:46) 

sarahe

makiさん、ありがとう!
私の家ではご承知のとおり二人が医療従事者でしょう・・・だから、このような話題は結構日常的に出るんですよ。
でも、医師と看護師では微妙に考え方が違うんですね。勿論、人によりけりですが。
長男なんかはまだ医師の端くれにもなっていませんが、無理やり生かすことは患者のためにならないのじゃないかって思っているみたいです。
患者にとって何がベターな選択なのか、安らかに過ごしていただくことが・・・最後の時を・・・それって一番大事なんじゃないかって・・・。

延命処置のために体中に管付けて、身動きも出来ないで「生かされている」状態が果たして望んだ最良の選択なのか。

家族は1分1秒でも長く生きていてほしいと切に願うだろうけれど、患者本人はどう思っているのだろうか?
看護師は患者といちばん長く接しているので、よく言われるそうです。もうこれ以上何もしないで・・・って。
私の妻もよく言われたと言っていました。
そういう意味ではmakiさんが書いているように、「自分の意思」を家族に伝えておく必要がありますよね。普段からね。もしも~~になったら、延命処置はしないで欲しいと・・・。
by sarahe (2008-06-21 20:20) 

sarahe

mimimomoさん、Nice&コメントありがとうございます。

私が30歳の時に父親をガンで亡くしましたが、末期の頃はモルヒネで半分以上眠っていました。モルヒネを打つか他の延命処置をするか、医師から選択を求められました。モルヒネを打つと痛みは和らぎますが、意識混濁状態になって心臓も弱って死期を早めると言われました。

でも、もう癌性疼痛が酷くて、見ていられないんですね。
結局、モルヒネを打ち続けて・・・静かに亡くなりました。
後悔はしていません。

それが子供の場合だと、ちょと違ってきますかね・・・
う~~ん・・・分からないや^^;

看護師の資格を持っている人は多いのですが、職場復帰が出来ない環境にあるようです。
託児所の問題だとか3交代勤務の問題だとか・・・

いま日本はインドネシアから約200人の看護師を受け入れますが、結局最後は外国人に頼らざるを得ないのかな・・・
3K職場の多くに外国人が働いていますが、遂に医療現場まで・・・
by sarahe (2008-06-21 20:32) 

collet

うちの父も延命処置は拒みました。
というか、わたしがまだ父が元気な時に聞いたんですよね。
最後はどうしてほしいか・・・やはり、本人の意思が1番だと思うんですよね。
ただ、子どもの場合は違いますよね。
本人には聞けませんし・・・じつはわたしのそばにもいるんです。
生後1週間で心臓の手術をし、お陰様でもう3歳になりましたが、
これからが親達は大変だろうと思います。
そしていずれは親のほうが先立ち、今度は兄弟が・・・
そう思うと、複雑ですね・・・
by collet (2008-06-22 12:21) 

sarahe

colletさん、こんばんは。
そうですか・・・お父様を・・・
私は父の意向を確認することなく、自分の判断で医師にお願いをしてしまいました。母は父の状態が悪化するにつれ、精神的に辛い状態になり入院してしまいました。私の妻は2人目の出産のために入院中で・・・私ひとりでした。弟はTVCFの仕事で忙しく、いつも夜遅くに来るので、どうしても私の判断を求めるようになったんです。

でも、後悔はしていません。
本人の性格や普段の言動から、たぶん延命処置は望まないだろうと。

でもね、子供の場合はそうはいかないものね。
そのお子さん、元気で健やかに成長してくれるといいですね。
by sarahe (2008-06-22 21:38) 

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