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教育指導の方法のこと [徒然]

saraheが障害者のヘルパー業務に就いて、早2か月となる。
今年1月から1ヵ月半のヘルパー2級資格取得研修を受講し、2月末に資格取得してからだから。
2か月の業務経験のなかで、いくつか特徴的なことが見えてきた。その一つが新人ヘルパーに対する教育指導のことである。

普通(いや、saraheが以前勤めていた電機メーカーのこと)新入社員に仕事を教える時、皆さんはどのようにして指導していますか?

saraheが教育担当だった頃の指導方法は、新人が担当する職務をピラミッドの底辺に書くことから始めた。
その仕事が社内のどのような部門(あるいは従業員全体)との関連性を持っているか、次工程の人との情報のやり取りが如何に重要か、自分の仕事を自分の範囲内で考えるのではなく、関連する他工程の人にとって如何に受け取り易い形に工夫して行なうか、そしてその仕事が世の中のどの法律や制度から義務付けられたものか・・・最低でもこれらのことを最初にレクチャーするのが、教育担当としての最低限の仕事だと教えられてきた。

翻って今働いている障害者のグループホームでの入浴介助・食事介助・家事援助の仕事の教育指導の仕方はどうか?
正直なところ・・・saraheは驚いてしまった。
当たり前だと思っていたことが、当たり前ではないのだ。
それは指導者が代わって他の指導者になっても、同じだった。

saraheは自分なりに次のような目的意識を持って、教育指導を受けようと思っていた。
①入所者の個人別の傷害の内容・程度
②それぞれのケアプランの内容(最終的にどのような状態まで持っていきたいか、そのための年度ごとの具体
  的なケアプランを知りたかった)
③それらを受けて日々のケアの内容について、個別具体的に指導を受ける

↑ 最低でもこの3項目は、必須と思っていた。

しかしながら、教育指導内容は最後の③のみであった。それも詳細すぎるもの(服の着せ方・・・服の寄れをどう直すか)、(アカスリタオルにシャンプーを何滴つけるか)・・・数えあげたらきりがないくらい多い。
だから、「木を見て森を見ず」の譬えのとおりなのだ。

これはsaraheが働いている社会福祉法人固有のものかもしれない。

そこでsaraheは2人の指導者に対して、8名の個別ケアプランの説明をお願いした。もう1か月も前のことだ。
しかし、サービス提供責任者は毎日忙しくしており、時間を割いて話し合いを持つことが殆ど出来ない。

ケアプランで構築された目標に近づけるため、日常の一つひとつのケアについてどのようにあるべきなのか
、どう改善したらよいか・・・これらを常に念頭に置いて日常のケアを行なうのが本来の姿だと思う。

saraheの思いは理想なのかもしれない。少ない職員・スタッフ・ヘルパー、職務のきつさに比べ少ない報酬、常に満室状態の入所者。そのため常に時間に追われる勤務状態。
サービス提供責任者・ケアマネ・職員・ヘルパーが一堂に会して、入所者のケア内容をどのようにしていくべきなのか等について、意見を出し合う機会が必要だと痛感している。


ヘルパーの仕事を始めて僅か2か月余りの新入りが、さも知っているような感じで書くのも憚られたが、摩訶不思議な世界の一端を知ってもらいたくて書き連ねた。

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雀翁

十分な指導育成の時間が取れないというところに、今の福祉行政の問題が端的に表れているのでしょうか。まず、大きな全体写真を理解してから、細かい点に集中して業務を行うというのが、企業では一般的です(そうでないと最終的に効率的に目標に到達できない)。福祉行政には、その大きな写真が無いのか、それとも確たる最終的目標がないのか、ただ目の前のことをやっていくだけという中長期的に見ると非常に非効率的な運営になっているのかもしれません...門外漢の私がえらそうに言うことではありませんですた、失礼。

by 雀翁 (2009-06-16 08:24) 

sarahe

翁雀さん、門外漢と言えば私もそうです。ですが、こと指導教育というものは、業界が変わろうが基本的な考え方は変わらないはずです。福祉の世界も例外ではありません。
それを「福祉の世界は別物」と認識している(あるいは何も考えていない)ことを、不思議とも問題だとも思わないところに、人がなかなか育たないという原因が隠されているように思います。

若い人は高校や短大・専門学校の卒業生が多く、施設で介護の基本を学び、そしてグループホームへと異動してきています。その施設での教育が問題なのだと思います。入所者の介護をベルトコンベアーに乗った物を扱うように、時間に追われて画一的に処理するだけで精一杯の現状では、時間を割いて教育を企画・受講させる余裕は殆どないと思われます。

そこへ最近中途入社で多くのケア・ワーカーが入職してきます。彼らの多くは一応企業でそれなりの教育を受けてきており、指導の在り方も概ね理解している人が多いのです。当然疑問や問題意識を持ってきます。
しかし、我々のような一介のヘルパーが抱く疑問や問題意識は、施設の管理スタッフ等には届きません。
もう一つ。私が雇用されている社会福祉法人の施設長は、横浜市の職員が天下りポストとして確保されているのです。定年退職した部長級以上の市職員が、数年間ポストに就いて辞めていきます。その繰り返しです。当然、自分の任期中は大きな問題を起こさないように、慎重に時の過ぎるのを待つだけです。このような人をトップに据えている以上、改善改革など出来ないわけです。これが悲しいかな福祉の世界の現実です。
by sarahe (2009-06-16 16:52) 

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