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最近読んだ本~【死ぬときに後悔すること25】 [読書]


最近になって漸く仕事にも慣れ、介護の仕事の楽しさと難しさを感じている。
1日の仕事を終えて風呂に入り、食事をして寝るまでの間、読書と韓国語の勉強をするのが日課となっている。
先週まで読んでいた本は、山崎豊子の「運命の人①~④」であった。
彼女の著書は好きな部類に入る。事実を丹念な取材で徹底的に調べ上げ、それを「小説風」まあフィクション的な感じに纏め上げるのだ。皆さんも「白い巨塔」「華麗なる一族」「不毛地帯」「大地の子」「沈まぬ太陽」などの著書を、読まれたのではないかと思う。

「運命の人」は沖縄が本土復帰を果たした時に、本来アメリカ側が負担すべき費用を、様々なからくりによって日本側が負担することを約した密約の存在を、当時の毎日新聞社の政治部記者が外務省の女性職員から手に入れた資料によって明らかにしたことを書いている。俗に言うと「外務省機密漏洩事件」だ。
一審では知る権利を認め記者は無罪、情報を流した女性職員は国家公務員法違反で有罪となった。
二審では一転して両者とも有罪とされ、最高裁でも二審の判断を指示して有罪が確定した。
国民の知る権利はどこまで許されるのだろうか、機密とされている行為が国民を欺き国益を損なうものであった場合、それでも国家公務員を唆して情報を入手するという行為が、法に触れると判断されるのか・・・。
一人の有能な記者の人生を変えてしまった事件を、丹念な取材で追っていく彼女の手法が私は好きだ。
4巻に分かれていたけれど、あっという間に読み終えてしまった。久しぶりに読み応えのある本だった。

そして今読んでいる本がこちら↓

book①.jpg

本のタイトルは「死ぬときに後悔すること 25」 サブタイトルとして「1,000人の死を見届けた終末期医療の専門家が書いた」とある。
著者は「大津 秀一」
出版社は致知出版社   1,575円(税込)

目次は次のようなものだ。

第1章 健康・医療編―死ぬときに後悔すること1;第2章 心理編―死ぬときに後悔すること2;第3章 社会・生活編―死ぬときに後悔すること3;第4章 人間編―死ぬときに後悔すること4;第5章 宗教・哲学編―死ぬときに後悔すること5;第6章 最終編―死ぬときに後悔すること6

簡単な書評が載っていた。
【ほとんどの人は死を前にすると後悔するという――では、人生の最期を前に、どのようなことに後悔するのか。本書は、終末期医療の専門家である著者が、千人を越す患者たちの吐露した「やり残したこと」を25に集約して紹介。「健康を大切にしなかったこと」「他人にやさしくしなかったこと」「故郷に帰らなかったこと」「会いたい人に会っておかなかったこと」など、儚くも、切ない思いが行間から滲み出てくるようで胸が締め付けられる。例外なく、死はすべての人に訪れる。だからこそ、1人でも多くの人に後悔の少ない人生を送ってほしい。心の苦痛を訴える末期患者と、正面から向き合ってきた著者が綴った切実なメッセージが心に響く1冊である。 】

今から「死ぬときに後悔する・・・」など縁起でもないとか、自分が生きたいように生きることができる人なんているのだろうかとか、いろいろとあるように聞いている。

私は父親を30歳のときに亡くしている。父は国家公務員で、昔のスタイルそのもの「滅私奉公」の典型的な公務員だった。一時期は専門家を育てるために、大学の教壇にも立ったことがある。そんな父の姿を幼いころからずっと見てきたので、自分も公務員になろうかと本気で考えていた。だから、大学2年から大学の特別講座として始まっていた国家公務員試験講座にも最初から参加していた。
折しも第2次オイルショックの翌年に就職をするという未曽有の氷河期であったことで、公務員の安定性が持て囃されて、受験資格が高卒程度の初級試験に大量の大卒が受験するようになっていた。

私は第一志望公務員、第二志望民間資源会社としたが、実際は公務員試験対策だけしかやらなかった。
運良く公務員試験の1次をパスし、2次試験を受け、そして10月1日解禁の民間会社の就職説明会に朝早くから並んだ。TVのクルーが撮影に来ていた。当時は就職協定が守られていたようだ。
最終的には公務員と民間のどちらに進むかで相当迷った。
父親は当然なこととして公務員を勧めた。でも、自分のこころの中では、父の勤務スタイル「滅私奉公」は自分には出来ないと思い始めていた。それと参加していた「労働問題研究会」というサークルやゼミとして選んだ「労組法・労基法」での勉強で、公務員の労働3権の制限や政治的活動に関して深く学んでいくうちに、180度方向転換してしまうことになった。
父は落胆の色を隠さなかったが、私は自分の進むべき道を自分で選んだことに後悔はなかった。(その当時の素直な感想です)

そして結婚。両親には「俺結婚したいと思っているから、今度帰ったら話す」と一方的に電話で伝えた。
就職してまだ3年しか経っていなかった。

転職もまた然り。年収が1/10になりボーナスもなく肉体的に結構辛いヘルパ-の仕事に就いたことも然り。
韓国への留学もその延長かもしれない。そして通訳・案内士の資格にチャレンジすること。

こう見てくると私は、自分のやりたいことをやりたいようにやり、そして生きてきたように思う。
周りの戸惑いや不安など意に介さないようにして。
でも、この本を読んでいるうちに、「自分はやりたいことをやってきてその面では後悔はないかもしれないが、両親・妻・子供たちには苦労をかけたという気持ちがあり、後悔ではないけれど何とも自分勝手なことをしてきたな」という気持ちが強くなっていった。
この気持は今までも感じていた。

逆に妻などは私と結婚したことに、一番大きな後悔の念を持っているかも知れない。

私はこの本を読んで「後悔しないように生きてきたことを後悔しないように」と改めて思った。

何故こんな気持になったか・・・それは今日が私の53回目の誕生日だからである。
そんなことはどうでもよいこと?
ハイ、左様でございます。
ではこのあたりで失礼をばいたします・・・





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コメント 12

aosima0714

初めまして!
遊びに来ました!
良かったら私のブログに来てくださいね!
これから、ちょこちょこ遊びにきます!よろしくです<m(__)m>

by aosima0714 (2009-07-23 11:17) 

雀翁

お誕生日おめでとうございます。飲み過ぎないようにしてください。CTスキャンに変なものが映らないように...

山崎豊子はまだ1冊も読んでいません。いつ読み出すかタイミングをはかっています。

人生は決断の連続です。その際、私が思うのは、「やってみないとわからない。やると決めるのは自分だから、全部しょっていく覚悟が必要だ」ということです。私は、人に相談をするということをしない人なので、自分の決断のお尻を誰かに回すというようなことは(めったに)しません。違う決断をしたらよくなってたかどうかもわからないので、「後悔」ということはほとんどありません。Saraheさんの1つ下ですが、どちらかというと、「もう50年も生きた。あとはおまけ」という心持です。

by 雀翁 (2009-07-23 19:01) 

kaotan

saraheさんも↑の方も、我が人生に悔いはなし!ですか・・・
私は後悔ばかりですが、まあそれもまた人生ってことで。
お誕生日おめでとうございます!
祝杯はほどほどに~(・m・ )クス
by kaotan (2009-07-23 20:46) 

すみれ

こんばんは。

お誕生日おめでとうございます♪
今日はどんなお祝いをしたのでしょうか?

そちらは暑そうですね。
今年の北海道は本当に涼しいです、というか寒いです。
このままもう秋が来そうです。

体調がすぐれないとのこと、お大事にね!

by すみれ (2009-07-23 20:53) 

sarahe

☆aosima0714さん、訪問・コメントありがとうございます。


by sarahe (2009-07-24 08:07) 

sarahe

☆雀翁さん、おはようございます。昨日の誕生日ですが、サプライズは何もなく・・・ただ寂しく歳をとっただけでした。メタボのせいで、ビール・日本酒・焼酎・ケーキ全てなし。
健康診断前に、女性が食べる量を控えるのと同じです。27日月曜日の検査前だから・・・。

雀翁さんはとても強い方ですね。自分の決断を悔いることなく、全て受け入れる。私はあれこれ考えてしまう性質です。そして、まだまだやり残していることが多いと思っており、それをやり終えるまでは老体に鞭打ってでも生きていたいと考えるのです。
「往生際が悪いオトコ」なのでしょうね(苦笑)
by sarahe (2009-07-24 08:17) 

sarahe

☆kaotanさんは後悔ばかりですか?
やりたいことをやってこれた、このことに関しては、私は妻に感謝しています。まあ、妻も妻で好きなような人生を歩んでいますが・・・お互いさまと言うことで^^;

臨終を前にして「生」への執着を顔に表すことだけはしないと、こころに決めているのです。逝く時は安らかに微笑みを浮かべながら・・・
by sarahe (2009-07-24 15:48) 

sarahe

☆すみれさん、今年の夏の太平洋高気圧は、未だ勢力が弱くて梅雨前線が日本列島から北上していないようです。
横浜は昨晩から雨が降っています。とても蒸し暑いです。
誕生日の祝いなど何もありません。

北海道は寒いみたいですね。道東の方がより寒いみたいで、道北はそうでもないと長男から言ってきました。彼も後期研修を北海道で受けるのか、それとも大学病院を含めて他の医療機関にするのか、そろそろ決断しなければならない時期です。
指導していただいた先生方からは、北海道に残れと強く言われているみたいです。北海道に残れというか、今の市立病院であと2年間は研修を受けてくれと・・・。
どうなりますか・・・^^;
by sarahe (2009-07-24 15:56) 

すみれ

昨今、田舎の病院では医師不足、研修医不足と人員確保に大変です。
やはり大学病院で最先端の医療技術を学びたいですよね。
どこの市立病院(田舎)もそうでしょうけど、1~2年ぐらいで先生が替わってしまい、下手すると2人が1人に減ったりとか・・・。
なので、チョット思い病気になると都会の病院へ行ってしまい、病院の経営も悪循環になってしまいます。
夫も去年病気をして手術をしましたが、いざ手術となると札幌へ行きました。(^^;)
息子さんは道内の大学を出られたのですか?
by すみれ (2009-07-24 23:05) 

sarahe

☆地方の医師不足は、本当に深刻な問題ですよね。どうしても都会の医療機関の方が臨床数も多いですし、より専門的な事例に当たることも多いので、どうしても地方より都会へとなるのです。
指導医は北海道出身の北海道の大学を出た方ですが、長男は横浜の大学ではなく地方の国立大学医学部出身です。

今は麻酔科医を目指しているようですが、どうなるか分かりません。麻酔科・小児科・産科婦人科が、医療事故の訴訟になるケースが多いとのことです。嫌な感じはしますが、子供の気持ちを大事にしたいと思います。
by sarahe (2009-07-25 00:33) 

雀翁

検査にそなえてますか?

私は強いのではなく、考えが浅いのです。
済んだことを考えようという気がほとんどないんです。
今日と明日のことで手いっぱいです。

by 雀翁 (2009-07-31 12:47) 

sarahe

☆雀翁さん、検査は27日今週の月曜日に終わりました。結果の説明は、8月5日の予定です。造影剤を入れてCT検査しましたが、いや~~身体の中から火が出るかと思いましたよ。全身がカッと熱くなったんです。長男から「全身の灼熱感はあるから」と聞いてはいましたが、思わず止めていた息を吸ってしまいそうになりました(苦笑)

いやいや、やはり強い方だと思います。今流行りの言い方で表すならば、「肉食系」でしょう!私は「草食系」です。今日明日のことも定かではないのに、その先のことをあれこれ考えてしまうのです。
by sarahe (2009-07-31 13:37) 

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