SSブログ

【医龍 3】を観て [徒然]

昨日から始まった【医龍】シリーズ第3弾 【医龍 3】・・・海外にいて日本のTVをネット経由で観ることが出来るのだ。当り前のことだが、知らずにいた。留学仲間の日本人から聞いて、早速手続きを終えて3カ月契約をした。3ヶ月間の視聴で50$だった。

医龍シリーズは今回が3シリーズ目。回を追うごとに視聴率も上がり、今ではフジTVの看板ドラマにまでのし上がった感がある。家族が全員医療従事者という環境からか、医療ドラマやドキュメンタリー番組は欠かさず観てきた。書籍もたくさん読んできた。題材とされてきたのはその時代の医療の課題や先端医療だったが、それはそれでよいのだが如何せん「神の手」をクローズアップさせて、現実離れの感は否めない。

この医龍シリーズでも「チームドラゴン」を引っ張る朝田の神業の手技、加藤の手技などでもそれは見られる。それを「ドラマだから・・・」として割り切って観る分には良いのだろうが、医療従事者の家族達には不評である。

私だけが家族の中で唯一医療従事者で無い。また、日本を離れ一人で留学中の身であり、彼らの冷めた「目」を意識せずに今回のシリーズを観ることが出来る。

第1回は2時間ちょいのスペシャル版だった。医龍2の最後では、野口(岸部一徳)の悪徳経営が明るみに出て、明真大学は優秀な医師の流出が止まらずに医療レベルは低下、それにつれて訴訟件数も大幅に増加し、救急医療でさえも「明真大学付属病院」への搬送を躊躇うほどだった。

そんななか鬼頭教授が学長になって改革を推し進めた。まずは臨床の改革。ここで海外の紛争地域で医療活動をしていた朝田を呼び戻し、チームドラゴンの復活を画策する。また、アメリカで小児の心臓移植を行なっていた加藤も呼び、最後は愛娘を心臓病で亡くして地方病院に勤務していた内科医藤吉を呼び戻す。藤吉は再生医療の研究者のリーダーとして呼び戻そうとしたが、藤吉は「臨床」に拘って結局「研究」と「臨床」を診ることでチームに合流する。

医療ドラマを観る時は、ドラマに出てくる疾病名をネットで調べたりしながら観る。また、麻酔科医の荒瀬の技術や時々に出てくる全身管理上起こっている状態、これらもとても興味をもって観る。

今回荒瀬が復帰した時のオペで、少女の心臓付近にある腫瘍を剥離する時、直腸温が急上昇する場面があった。「急性 高熱症」と言ったと記憶している。全身麻酔下で起きるもので、最悪は組織が壊死して死にいたる。
実は長男が麻酔科・蘇生科医なのだが、少し前に小児のオペ中にこの「急性(悪性) 高熱症」の疑いとなって、小児の全身麻酔、全身コントロール、そして事態発生時の対処の難しさを改めて感じたようだった。

先日、日本に帰っていた時に買った新潮新書「難治がんと闘う-大阪府成人病センターの50年」足立倫行 著を読んだ。がん治療の最先端をリポートしたもので、専門医とのやりとりから難治がんの克服に向けた執念のようなものを感じた。私の実父も難治がん中の難治がんである膵臓がんで命を落としている。今でも5年相対生存率は、がんのなかでも一番低い5%程度である。難しいと言われる肺がんでも19%、肝臓がんは23%だから、膵臓がんのそれは極端に低い。

「神の手」を持つドクターでさえもこの難治がん克服には、悪戦苦闘を余儀なくされているようだ。

「医療格差」・・・高所得者と低所得者の格差、地域による格差、医師による格差・・・いろいろな格差が存在する。「神の手」を有するドクターに診てもらえる人・・・これも格差だろう。
人の命に差はない。それならば、今現実に起きているこの「医療格差」は何なのだろうか?
一部の病院、一部のドクター、一部の高額所得者の患者・・・これらに縁遠い我々庶民はどうすればよいのか。

この「医龍 3」を観ながら、朝田などがいない一般の病院で命を落としていく多くの患者達のことを考えざるを得ない。センセーショナルに取り上げれば取り上げるほど、この気持ちは強くなる。
「医療」が経済の原則にどっぷりと浸かってしまっている今の日本、国の医療費負担の問題も理解はする。けれど、行き過ぎた市場原理の適用を少し元へ戻さねば、この問題はますます酷くなる。そのためになら、税金が増えても我々は了解するだろう。

あ~・・・医龍からとんだ所へ話しがいってしまった。

今日はこれから図書館で、今まで1ヶ月間4級で学んだ文法の総復習をする予定だ。
その後は、留学生のチング達とカムジャタンを食べに行く。
タグ:医龍  3
nice!(2)  コメント(4)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 2

コメント 4

maki

仕事関連の番組をついつい観てしまう気持ちって分かります^m^
私も昔沢口靖子が出ていたアパレルの番組を観てはチャチャ入れてました。
この時は、放送の次の日に会社に行くと「あれは有り得ないよねー」とか言ってその話で盛り上がっていましたが、最近の番組の方が下調べがキチッと出来ているような気がします。

医療モノは、ちょっとしたブームでしたね。
中国ほどじゃなくても、やはりお金がないと良い診療が受けられない時代になってきつつある気がします。
今までのように医療従事者は尊敬される職業だからという理由で、崇高な精神で奉仕を求めてもすでに今の現状と合わない気がします。
やはり金銭的な保証を国がしっかりとし、労働条件のレベルを上げていかないと、結局は医療を受ける我々一般市民にしわ寄せが来るのでしょう。

日本の政治家は本当にそうしたことに率先して取り組まないというか、、いつも後手後手なのでイライラしてしまいます(あー美容に悪いわ!)
by maki (2010-10-15 15:12) 

sarahe

ついつい観てしまうのです。一人で観ている分には良いのですが、家族と一緒に観ていると誰かが必ず突っ込みを入れています。彼らはそれで日々の鬱憤を晴らしているような・・・そんな感じさえします^^;

医療従事者に支払われる対価は、正当なものであるべきだと思います。そこに「赤ひげ先生」的な奉仕の精神を求めるべきではないでしょう。問題は医療をビジネスとして割り切り、金のある患者を集め優秀な医師を金で集め、そしてそれ以外の患者達を切り捨てていく、そういった考え方が医療倫理に照らしてどうなのか・・・
その行き着く先としては今のアメリカの姿が見えるのです。そのアメリカが多くの反対を説き伏せて、医療改革法案の成立にこぎつけました。それでもまだまだ不完全な姿ですが・・・。

ベストとは言えないまでも、私は北欧型の高福祉・高負担の変形を模索すべきだろと考えています。日本は少子高齢化が極端に進んだ歪な国家です。この歪さを制度設計のなかで知恵を出して改善していく努力が必要だろうと思うのですが、行政は何を考えているのか、どうしようとしているのか等全く分かりません。
考えれば考えるほど、本当に美容に良くないことになります^^;
by sarahe (2010-10-15 19:05) 

collet

わたくし事ですが・・・
一昨日、初の大腸内視鏡検査をしてきました。
それで懸念されていたポリープもなく綺麗な腸だそうで、
それはそれで一安心したのですが、
朝8時から1時過ぎまでという長時間束縛され、
検査自体ではなく、それでドット疲れてしまい、
今日もまだ本調子ではありません。
でね、聞くところによると、
同じ様な検査をするのにも病院によってシステムが全く違うそうですね。
そういう意味で、今度検査する時は、
もっとスムーズにできる病院を自分で探そうと心に決めました。

あっ、わたしも医龍には全く関係なく、愚痴ってしまいました~~(^^ゞ
by collet (2010-10-16 16:09) 

sarahe

colletさんも大腸内視鏡検査を受けられましたか。私も韓国に来る前に受けました。本当に長時間にわたって拘束されました。2Lも飲まねばならない洗腸のためのポカリスエットもどき・・・カメラよりもこれが辛かったです。
これに使われるカメラですが、胃の内視鏡に比べるとまだまだ太くて大きいですよね。胃の内視鏡は鼻から入れられる細さになっていますが、何故に大腸の方は・・・と思ってしまいます。直腸・S字結腸・大腸など曲がりくねったところを移動させるのが難しいようで、医師による熟練の差が大きいとも聞いています。
また、痛みをとるための鎮痛剤を注射で入れるでしょう。あれも嫌な感じですし、検査が終わった後も腸の動きが回復しておらず、しばらくベッドで寝ていたほどです。

初めてだと特に辛いでしょう?「病院によってシステムが違う・・・」・・・これが何を指すのかちょっと分からないのですが、私の母親は今年86歳ですが、毎年この検査を受けています。私も同じ病院で受けたのですが、母は前日から病院に泊まり込んで検査を受けると言うものでした。我々とは少し違う検査システムなのか、よく分かりません。高齢のためかと思われますが・・・

いずれにしても病院によってや担当医師によって、あるいは地域によってという違いが大きすぎると思います。同じ医療費を払っているのに・・・
またイライラしてきました^^;

by sarahe (2010-10-16 17:29) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。